落第その後

看護学最後の実習を落としてすでに3週間が経ちました。落としてしまったものはしょうがない。ぎっしり3ページにわたるクレームは看護学科に留まらず、さらに上へ送ることになりました。明らかに実習ガイドラインに反しているので、蔑ろにはされないはず!!

実習は落としたものの、卒論書きはこのまま続行のため、落ち込む暇もなく忙しくしています。すでにテーマを絞り、研究論文を探し、理論の見当をつけと...イースター前に図書館で本を借り、印刷をしなければいけません。

プランB への変更を余儀なくされて、就職先とビザの問題が勃発。すでに老人ホームでの就職が決まっていましたが、それは【看護師】として...すでに12月までのシフトを貰ってるのに、どうするよ!??しかも秋の実習9週間は休職状態になります。直接状況を話に行くと、「あらーそういうこともあるわよぉーでもここで働いてくれるんでしょう?休職期間はちゃんと確保するから大丈夫よぉ」と。看護師としてではないですが、7月からちゃんと【就職】できるようです。

そしてビザの問題。就職できても、専門職=看護師としてではないので労働ビザの申請ができない...ってことは学生ビザ。学生ビザの条件は正規の学生(年間60単位取得)であること。実習は15単位しかなく、1学期分の学生ビザを申請するには後15単位が必要。ここはしょうがないので15単位分の虚構のコース登録をし、ビザが更新され次第落とすことにしました。

順風満帆とまではいきませんが、またちょっと追い風が吹き始めました。

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落第決定!!!

卒業を目の前にして、内科実習のやり直しが決定しました(号泣)

実習不合格の知らせはあっけなく到来。前回のブログを書いた日のその夜、大学の先生からのメールで...前日のミーティングでは、最終審査までどうなるか結果は出せないなんて言っておきながら、その後実習先の責任者と大学の先生が話して、あれよあれよという間に不合格が決定。最終審査まで残り4日分のシフトを頑張る気満々だった私は、まるでしぼんだ風船のようになってしまいました。

この実習不合格が何を意味するか...

  1. 夏から看護師として働けない=老人ホームとの契約どうする?
  2. 労働ビザの申請ができない
  3. じゃあ、半年間の学生ビザ申請??

最終審査待たずして出た結果。「あのーじゃあ後4日分のシフトは?」と訊くと、「別に来ても来なくてもいいわよ。結果は同じだから。最終審査の時に来てくれればいいから」というお返事。なんか厄介者扱いじゃないですか?めっちゃ、追い出された感があるんですけど...

しかーし、落ち込んでなんていられません!!普段、ほとんど話すことがない大学の裏方の人達に相談して、プランBの道筋を立てなければ!!!が...こういう時に限って、一体誰がなんの仕事をしてるのかはっきりしないものです。役所関係のたらい回し状態。

プランBとともに進行させているのがクレームレター。すでに数週間前から実習先に対して不信感を抱き始め、実習先の【指導】にも疑問を持っていたので、結果が変わらなくてもクレームを出すことにしました。向こうに言い分があるように、私だって言いたい事あるんじゃー!!すでにクレーム項目8個目。

実習日数が減る原因にもなったプロジェクトベースの学士論文ですが、これも辞めました。別に今辞めても実習の結果が変わるわけではありません。しかし、もともと論文の指導教官と合わないんじゃないかなぁという感があり、メールのやり取りを通してもズボラさが滲み出てたので、ここは安全圏を取って問題が出る前に辞退。指導教官に直接話に行くと、「あらー残念だわぁー!!実はまだデータ収集も始まってないから、今から参加しても大丈夫だったのにぃー」って。2人の学生に聞く限り、すでにデータ収集という名のミーティングが2回あったはずなんです。「なんか、お互いの勘違いがあってデータは集まってないのよぉー」と指導教官。あーこういうのイライラしそう...

学士論文は自分でテーマ決めて書くことにしました。テーマはすでに決まっています!!外国人看護師がノルウェーで働くにあたっての葛藤です(笑)

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9日ぶりのお休み

実習とバイトの9日間連続【勤務】から解放され、やっと明日1日お休みです。

今日もまた大学から先生がお出でになりましてミーティング。朝の責任者の対応から嫌な予感はしてましたが、やはり【がんばろう】が付いておりました。それもこれもこの責任者が月曜日に私に割り当てた患者2人のせいでしかありません。わざとこんな大変な患者を私に割り当てた??と不信感さえ募ります。

先週のミーティングから目標は【2人の患者の担当】と【コミュ力アップ】です。先週は上昇飛行でいい感じ。が...月曜日、新しい患者が週末に入ってきたから担当するようにと責任者が2人の患者を指名してきました。私が計画を立て、指導看護師をあくまでアシスタントとして使う予定が...総崩れ...(涙)なんと、この新しい患者2人、どちらも2人がかりじゃないと動かせない重病患者さん。1人は小さなおばあさんではありますが、自分じゃ立ち上がれないし、介護用歩行車を使っても転倒リスク大。もう1人は肺炎の疑いがあり、ベッドでも身動きできない大きなおじいさん。新しい患者さんなので、どちらも採血、心電図、起立性血圧障害のチェックなど検査項目が朝から満載。血腫の手当てやらでおばあさんに付きっきりになっていたら、あっという間に時間が経ち、おじいさん放置状態。業を煮やした指導看護師が「もう今日は1人の患者担当にする?」と...指導看護師がおじいさんを担当したものの、おばあさんを部屋の中で移動させるにはもう1人ヘルパーが必要。いくら小さくてももしやの転倒を考えると、私一人で移動させるのは憚れます。しかし他の看護師はすべてそれぞれの担当患者に付きっきり。しょうがないので介護リフトをガラガラと持ってくると、指導看護師が登場。「あらぁー手伝うわよ!」と。やっと椅子に座らせて朝食を持っていくも、おばあさん食べながら寝てる...薬を飲ませ、一息つく間もなく、「レントゲン検査があるからベッドに寝かせておいて」と伝言。その後も椅子に移動させたと思ったら、 CT検査が入りベッドへ...もう最後は椅子に座ったおばあさんごとベッドへ押しやり、最低限の移動距離でベッドへ移しました。

肺炎の疑いがあるおじいさんも結局ほぼ2人がかりの患者で、他の看護師がヘルパーにまわっていました。この日、2人の患者とも排尿に問題ありで、残尿測定後に尿道カテーテルを挿入。途中、おばあさんには抗生物質投与やらコナキオン(ビタミンK1)静脈注射が入り、2回目の採血がありと、どう考えてもおじいさんを含めた2人の患者を1人で担当できたとは思えない...指導看護師に普段こういう重病患者2人を担当することがあるのか、どう優先順位をつけるのかを聞きましたが「こんなことは滅多にないし、1人では無理だから他の看護師にヘルプを頼むのよ」と。

今日のミーティングでは、結局まだ患者2人を担当しきれていないと責任者に言われました。アナタが指名した2人の患者さん、めっちゃ大変だったんですけど!!と反論するものの、「夏で卒業でしょう?これくらい対応できないと看護師として使えないわね。老人ホームで働くんだっけ?へたしたら看護師が自分1人で、あなたの決断が患者の命を左右するのよ!」と。確かにそうですけど、他の学生2人にも同じようなレベルを課しているのかとても疑問です...粗探しをして、実習を落とさせる気満々なんじゃとも思えてくる...どんなに頑張っても、最終的に【コミュ力】を指摘されればどうしようもないわけだし。

大学の先生までも「学生課の方に話して、秋の実習の予定を訊いた方がいいわねぇ」と。実習のやり直しは避けたいとあれだけ言ってるのに!!ってか、2人の間でやり直しは決定しているってこと??

週末のバイトでは自分の担当の棟で2人の入居者が譫妄と転倒でてんやわんや。そして実習では低空飛行。なんだかついてないなぁ...(涙)

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苦手なのに...

先週の中間審査が保留になり、今日新たに大学の先生と実習先の看護師責任者とのミーティングがありました。先週の病欠のオンパレードを一応大学の先生に前もって知らせていたのですが、先生即対応してくれました。先週の金曜日のうちにひょっこり病棟に現れて、責任者とお話ししてくれたようです。

今日のミーティングではひとまず、卒論のデータ収集は他2人の学生に任せ、私はこのまま後2週間実習を続行することを提案されました。大学の先生がすでに卒論の指導教官と話したらしく、ほぼ確認済み。

病棟でのコミュニケーションにおける進歩はあるものの、まだ2人の患者さんを担当し始めて2日目(先週は1人の患者さんだった)。計画の立て方、患者への対応、お医者さんとのやり取りなどはクリアしているのですが、問題は家族への対応...特に電話での説明などがまだ経験不足だと。

電話...すっごい苦手なんですけど...日本でもプーの時、色々仕事を探しましたがテレフォンアポインターの仕事だけは避けてきました。日本語でも電話で話をするのが嫌なのに、それがノルウェー語!!!しかも不安で混乱しているような家族もいるわけで...病棟で説明する分にはまだ精神的に楽なんです。相手の表情も見れるし。声と言葉だけが頼りの電話は細かい情報が受け取りにくく、しかも相手が理解しているかも確認できにくいのでかなり不安です。それを見抜いているがごとく、実習先の責任者は【電話を含む家族への対応】を要求してきました。

【看護師として働くことになれば必ず家族とのやり取りが入ってくるから今練習しなきゃ!】

そうなんですけどねぇ...↓↓↓

今日のミーティングでは実習のやり直しについて、ひとまず保留状態の印象を受けました。また来週ミーティングをしてそこで評価する感じになりそうです。これから2週間が正念場!!なるべく2人の指導看護師のどちらかと同じシフトで動けるよう調整をお願いしました。

ちなみに...同じ看護学で仲良くしているフィリピン人の子は、今まで実習でひっかかったことがありません。話を聞く限り、指導看護師は皆【合格させてあげるから!】と言ってくれるらしく、【コミュ力が...】とか【ここくらいまでできないと!!!】という要求はないらしいです。

エチオピア人の子は外科実習でいびられて(差別もあったと)胃潰瘍で入院したそうです...しかも1年時の大学内の実技試験の時は、(彼女曰く)彼女だけ厳しい評価を受けたらしく不合格。精神科実習に進めなかったらしいです。なので精神科実習は皆が卒業した夏以降やるそう...過酷だぁ...

何はともあれ、この実習を落とさないよう、耳掃除をして電話対応に備えたいと思います!!

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どうなる最後の実習??

月曜日のボロクソな中間審査後、1週間様子を観察してくれるはずの指導看護師がずっと病欠でした(涙)火・水はそれぞれ違う看護師、木・金はもう一人の指導看護師で乗り切り、目標の1つでもある【1人の患者を入院から退院まで看護する】ことは達成しました。

しかし最終目標は【2人の患者を同時に担当】することになっています。なんと私には卒論のデータ収集のため、残り1週間しか実習期間がありません。他の学生は3週間あります。2日間ずつ2人の違う指導看護師とシフトを共にするのですが、病欠の看護師が果たして戻って来るのか...??しかも水曜日は大学の先生も交えてのミーティング。病欠である指導看護師が参加することになると思いますが、いったい彼女が何を言うのやら...(ってかずっと休んでたし、経過報告もできないでしょう?)

なんとしても内科実習のやり直しだけは避けたいので、もし実習での成果が見られないと言われたら(特に病欠指導看護師から!!)、数週間の引き延ばしを提案しようと思います。私からしたら【成果】も何も、お互いの病欠で一緒に組んだシフトが少なすぎるのが大問題だと思うのですが...どちらにしても彼女が指摘したコミュニケーションが問題視されているので、実習を通して彼女を説得しないことには合格が貰えそうにありません...

はあぁぁぁ...

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いやぁな感じ...

最後の実習で気が緩んでいたせいもあり、病み上がりでもあり、ショックです。

昨日の中間審査で、なんと「実習日数が少なすぎて審査できない」「コミュニケーションに問題がある」とボロクソ言われました。実習が始まって4週間半。先週1週間はインフルで棒に振り、その他の週も卒論のミーティングで抜けたり、病院が使うソフトの講習があったりで病棟にいた日にちが短く...しかも2人の指導看護師ともシフトが合ってなかったりで、昨日中間報告に参加した看護師とは3回しか一緒になったことがなく。「患者がきいた質問を聞き取っていない」「看護師が言ったことを理解していない」「耳が聞こえる老人でもコミュニケーションが取れてない(=私の発音が悪いとっ!)」と。なんだか精神科実習のトラウマが蘇ります。(この時は大学の先生からボロクソ言われた)

何よりも今回は4週間半、誰もコミュニケーションについて何も言ってこなかったので余計ショックでした。なんで指導看護師が気づいた時に何か言ってくれなかったんだろう...?

卒論の関係で6週間半しか実習先にいれないことは最初から言ってあったのに、今の時点(4週半目)で中間審査にもならないとか言われてどうしろと??大学の担当の先生は「まあ、秋学期に再度内科実習に入る選択肢もあるし...」って!!!いやいや、そんな選択肢、私の中には全くないんですけど!!!それだったらプロジェクトベースの卒論なんて書かないで、普通の卒論に変更して実習を延長します。

指導看護師は「ひとまず今週ずっとアナタと同じシフトだから、様子を見て来週ミーティングをしましょう」と言ってくれました。そして今日...病欠...あのぉぉぉぉ(涙)

この病欠で病棟の看護師が足りず、私は知らない看護師Eに付くことに。病棟全体が人手が足りずイライラモード。そしてEがこれまた感じ悪い看護師でして(号泣)私が言うことに対して、すっごい聞きづらそうに眉間に皺を寄せて【Hæææ???】とおっしゃる。私もEの強い方言が聞き取れない。すると彼女はさらにイライラオーラ大放出。新しい患者の採血をすることになった時も、「ここに太い血管があるじゃないっ!!」と。それを私が見事に外すと、「何が問題だったの??こんなクリアな血管なのにミスったの?採血に自信ないの?」と(そこまで言わなくてもよくないか?)

そんな言われ方したら再度挑戦する気力もなく...でも結局、Eも同じ【クリアな】血管に5回ほど刺しまくったものの採血できず。最終的に【Stikkehjelp 】=採血のプロであるバイオエンジニアの助けを乞うてました。一言私に何か言ってくれてもいいのになぁ。「思ったより難しかったね」とかさ。かなり傷ついたんですけど...

昨日担当した患者の他の科への移動準備が終わると、今度は新しい患者さんの入院準備。入院するに当たって通常看護師が聞き取りを行うのですが、Eがリストを渡してきて「アナタがやりなさい。私は補助でいるから」と。「あのー私入院時の聞き取りとかやったことないんですけど...」と正直に言うと「Hæ?アナタ3年生でしょう?」と。病院実習は2回目。前回は外科実習でICUから来る患者の受け入れのみ。引き継ぎはやっても聞き取りなんてやったことないです。そう言うと今度はため息をついて「実習何週目なんだっけ?」と。私の指導看護師にたまたま新しい患者が来なかっただけの話で、私が別に拒否したわけでも、避けたわけでもないのにイヤな言い方!!「じゃあ私が訊くから、メモってPCに入力なさいよ」と。幸運にも入院患者の92歳のおばあさんはとてもチャーミング&娘さんは他の科の看護師でEとは違い常に笑顔で対応。

情報をPCに入力している最中も、申し送りが近づいているためEに急かされる。「XXXXXってことも付け加えてね」→聞き取れないが想像力を働かせて2回目で理解。でもそれをどこに入れるのかをきくと、「知らないわ」と。ひとまずめぼしいところに入力。「私が後で色々抜けてるところ追加するから!!」と急かされ、そのまま遅番へ申し送り。その後Eが私の入力した情報をチェック。今日最後のとどめは何だろう...?と怯えていると、「ふーん、いいんじゃない」と保存。

ダメ出し連続2日間。明日は指導看護師戻ってきてくれるかなぁ...この実習落としたらどうしよう...?

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最期の告知

今週は4日間、実習先の配慮もあって1人の患者さんと向き合うことができました。

84歳のおばあさんGさん。感染症の疑いから先週入院してきたのですが、これまでの検査で胆のう・すい臓がんの可能性。もともと心臓に持病があり、血圧は上が80前後、脈拍にいたっては80-140の間を行き来していました。あまりの変動の激しさにに血圧計が感知できないらしく、何度も何度もやり直し。Gさん、なんと体重が30kgを下回っています(若い頃から細身だったらしいですが...)。なので頸動脈から脈拍が見れるのですが、医者でさえ【ジャズのようで分からない】状態。

ここ2日間は薬を追加したり、リンゲル液を点滴してきましたが、状態は芳しくなく。口にできたヘルペスとお腹の腫瘍のせいか、小さな薬さえも飲みこむのにひと苦労。飲み込んでも吐いてしまうことも。点滴も結局は体の浮腫みを増幅させるだけ。昨日なんて親族が来るとかでシャワーを浴びる予定にしていたものの、歩いてちょっとすると意識を失ってしまい、緊急アラーム沙汰になってしまいました。週末までもたないかもしれないと、昨日の時点で家族には連絡。

今朝までは胃瘻だ、中心静脈カテーテルだ、尿道カテーテルだという話が出ていました。でもそれがGさんの体の回復に向かわせるかというとそうではなく...午後になるとお医者さん2人がある程度の見通しを立てたようでした。そしてその2人からGさんに直接お話があり、私も同席させてもらいました。Gさん、寝ていることが多いですが、痴呆は全く入っていないんです。時間・場所の混乱もないし、自分の体の状態も把握できます。ベッドに横たわるGさんに、とてもゆっくり、そして静かに話しかける経験豊富な男性医師。2人の医師はちゃんと椅子に座って、携帯が鳴っても「今、患者さんと話しているから、かけ直す」と十分な時間をGさんに取っているようでした。男性医師はどこまでGさんが自分の体の状態を把握しているか、今の状態をGさんはどう思っているのかを訊ねた後、検査結果と医者の立場から可能である治療をGさんに伝えました。Gさんの心臓と体力の問題から癌の手術は選択肢にないこと、どんな薬を使ってももう治りはしないこと。

「Gさん、あなたは人生の最期の時を迎えようとしています。あなた自身が年を取ったように、体もそれだけ年を取ったんですよ。」

Gさんはふーっと一息ついて目を閉じていました。Gさん、旦那さんを5年前に亡くしており、子供はいません。双子のお姉さんがいるらしく、夕方に訪ねてくる予定になっていました。こういう時、家族が側にいないって大丈夫なのかな、寂しいとか怖いとか辛いとかそんな感情はないのかな。沈黙を破って、男性医師が話します。

「これからはGさんがなるべく心地よく過ごせるように、痛みや吐き気があるならそれを緩和する治療に専念することになります。なので私達は常にGさんに気分はどうかを訊くと思うけど、その時は正直に答えてください。我慢はしないで。」

30分はいたのではないでしょうか。Gさんがちょっと朦朧としてきたのを見計らって「たくさんの情報で疲れたでしょう。ちょっと休みましょうか」とお医者さんは部屋を出て行きました。そして看護師を交えて今後の薬の見直し。リンゲル液こそ残っているものの、心臓、肺塞栓症の薬などほとんどの薬が外されました。その後、Gさんの部屋に戻りベッドを調整しているとGさんがぽつりと言いました。

「とてもいいお医者さんだったねぇーでもいいお話ではなかったわぁ...私にとって」

冷たくて浮腫んだ手を握って、「何かあったらいつでもアラームを押してね。私達が見守るから」と言うと、しっかり手を握ったまま「ありがとう、ありがとう」とお礼。とは言ったものの、来週Gさんにまた会えるのかな。採血で失敗しても「悪いねぇ。大変だねぇ」と気遣ってくれるGさん。飲み込むこと自体大変なのに「OOとXXが食べたいなぁー」と言う。昨日来た甥っ子の奥さんがその一つを作って持ってきてくれると言ったけど、Gさんが最期に口にすることができるのかな?

シフト交代の時には眠ってしまっていて、声はかけなかったけど、Gさんが苦痛なく、穏やかに週末を過ごせることを願わずにはいれません。

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