実習終了

中間審査でダメ出しオンパレードを被って数週間。あっという間に最終審査が来てしまいました。中間審査で私のノルウェー語力と看護知識に疑問を持った大学の先生がわざわざお出まし。今回は先生からのお手紙に衝撃を受けた指導看護師のAさん(男性ですが育休中)とKさん(最近病欠から復帰したばかり)がミーティングに出席してくれました。

実習はどうにか合格。大学の先生は相変わらず、私のノルウェー語力に不満があるらしく「患者さんと会話できてるの?」「スタッフの人達とのやりとりは円滑にできてるの?」「グループでのディスカッションについていけてるの?」と…AさんとKさんは「これといって大きな問題はありませんでしたけど…」とサポートしてくれました。もちろん、ノルウェー人の看護学生に比べたら見劣りするのは当たり前です。それでも他の面でカバーできてる所もある!と頑張ってアピール。最後まで不満そうな先生をよそに、どうにか合格をもらいました。

実習後半は患者さんと3000ピースのパズルにはまってしまい、時間があれば没頭…枠作りから、色分けと楽しいことこの上なしでした。1つは完成したのですが、新しく作り始めたのは中途半端に…患者さんとある程度の距離を取らなきゃいけないのは分かっているのですが、ついついパズルを通じて一体感が…さようならを言うのはちょっと寂しかったです。

実習が終わって【クリスマス休暇!!】ならいいのですが、私には解剖学&生理学の再試験が待っています。1年前、ノルウェー語の単語を暗記するだけで終わった看護学最初の試験。今回は頑張って成績を上げたいと思っています。

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ダメ出しのオンパレード

余裕だと思っていた精神科での実習。ここにきて、とっても危うくなってしまいました。

先週、優しい指導看護師さんに3人目の赤ちゃんが生まれ産休へ(ノルウェーは男性も2週間お休み)。中間審査は看護師さん不在、大学の先生との2人のミーティングになってしまいました。前もって評価書類は書いてもらっていたのですが、大学の先生、眉間に皺を寄せて「何これ?全然評価になってないじゃない!!時間通りに来た?そんなこと全然評価の対象じゃないし!!はっ?患者とうまくやってる?アナタについてこれっぽっちも書かれてない!!」と激怒。「こんなんじゃ、アナタが実習で何をしてきたか分かりゃしない!!」

数行しか書かれていない評価書を激しくバラバラめくり、ため息をつく先生。びびる私…

「自分への評価は書いたの??」と先生。「評価?書く…べきだったんですか?(いや、そんなこと聞かされてないけど…)」さらに機嫌が悪くなる先生。そしてまたため息…

「あああーじゃあ、いいわ。この場で答えてくれれば!!」と質問をまくしたてる先生、ところどころ質問さえも聞き取れなくてしどろもどろに答える私。血眼で次々に質問してくるので、いったい何を答えていいのか分からない。30分の拷問は2ページにわたる指導看護師へのクレームで終わりました(涙)

内容はと言えば、この学生のコミュニケーション能力にかなりの疑問有り。指導看護師はもっと注意深く評価するべし。質問の意味が分かっていないのか、質問に対する知識がないのか、今の段階での能力に問題あり。実習後の最終評価は指導看護師に委ねられるが、今回の場合、私も評価に参加する責任あり。あわわわわぁぁぁぁ(涙)

一生懸命答えたつもりなのに、その答えは彼女に理解されていなかったらしく、クレームにはところどころ私が疑問に思うところも。産休中のAさんがいてくれたら、きっと色々フォローしてくれただろうに、一人では無力でした。先生が指摘したことに対し、「あっそれはやったことがあります」と言っても、評価書類に書かれてないと一蹴り。このクレームを新しい指導看護師Kさんと産休中の看護師Aさんに渡すように言われました。Aさんはともかく、Kさんはついこの前まで病欠を取っていたので、まだ知り合って3日。これまでの数週間を知りません。このクレームを読んだら、嫌な学生を押し付けられたなと思っちゃうんじゃないかと気が重いです。金曜日の夜でしたが、生まれたばかりの赤ちゃんを抱えるAさんに連絡。すると「大丈夫!ちゃんと合格できるように最終審査のミーティングには来るから!」と。あううぅぅ優しい…

この厳しい大学の先生は精神科病棟専門。しかも重い精神病患者を担当してきたのか、質問も自殺願望の患者やら隔離治療など、私が実習先でさえ聞かないことばかり…精神病の講義も担当したやり手の先生ではあるのですが、とにかく「躁」状態とでもいうのか、エネルギーに満ち溢れていて、話すときも唾を撒き散らさんばかり、そして机をバンバン叩く。私、そういう人ちょっと苦手なんですけど…それはAさんも同じだったらしく、最初の面談の時にびっくりしたようです。面談後、落ち込む私に(この時も言葉の問題を指摘された)「なんか、すごい先生だね…大丈夫だよ。君はちゃんとうまくやってるから。言われたこと気にしないで!」と慰めてくれました。

その言葉を鵜呑みした私も悪かったのかも…実際問題、聞き取りはともかく、何かを説明することや表現することはかなり苦手。「はっ?」って聞き返された日にゃ、もう怖気づいて、さっさとこの場をやり過ごさなければ!!と焦ります。いつも前置詞に不安があります。

「病院勤務になったら、それこそみんな急いでるから早く話すし、素早く理解して、患者さんとのやり取りをスムーズに行わなきゃいけないのよ!!!」これ、前回の実習の時の担当の先生にも言われました。コミュニケーション力、当たり前ですがノルウェー語力は大切です。でもノルウェー人と対等な語学力はきっと一生かかっても身につかないだろうし、そこを毎回指摘されても…しかもちょっとした方言の違いで私には違う言語に聞こえるんです(涙)

そんなうだうだ気分の週末ではありますが、この数週間はまっていたものがあります!なんと編み物☆実習先で気になる患者さんが編み物を黙々としていて、交流のきっかけでもと思って始めてみたのですが、はまってしまいました!!そしてその患者さんとも話せる仲に♪♪もちろん、大学の先生には言っていません。「はぁ?実習中に編み物?」って落雷にあいそうなので…もちろんAさんは理解を示してくれました。

実習中は実習先の編み物セットを使って適当に編んでいますが、家ではスリッパを完成させました。

そしてただ今はまっている食べ物:柿(スペイン産)今年は豊作だったのか安い!!3個で130円です☆p1120393

今年は寒くなるのかな?すでに何度か積雪がありました。

p1120388
 
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親切な看護師さん

実習が始まって3週目に入りました。11月3日に初雪が降り、マイナスの世界のため歩道はアイスリンクと化しております。

精神科の実習は色んな活動があるとは聞いていましたが、毎朝10時の散歩が辛い…指導をしてくれる看護師のAさんがお散歩担当になると、もちろん実習生の私も一緒に行くことになります。まだ陽が昇ってない薄暗い中、雪と氷の森を歩くなんてもう修行僧の域ではないですかっ!?足元に120%神経が行っているので、会話に集中できないし、何を話しているかさえ聞き取れない…何よりも寒いよぉーーー

まだ2度目の実習なので、ついつい最初の悲惨だった老人ホームでの実習と比べてしまうのですが、今回の担当看護師Aさん(男性)はとても親切です!!何をするにも、どこに行くにもちゃんと私に一言知らせてくれるので、待ちぼうけ感やほったらかされ感はなく。患者さんとの個人的なミーティングでも、私が参加しても大丈夫かなど、ちゃんと患者さんに聞いてくれるので安心できます。積極的に会話に参加することはないけれど、皆の会話を聞いているだけでとても勉強になり、そして脳の疲労度がとんでもないです。毎日、帰りのバスでは爆睡…毎日チームで患者さん数人を担当するのですが、メンバーの皆が親切で色々教えてくれます。老人ホームでの実習はほぼ女の世界で、微妙に世代と人種による軋轢みたいのを感じました。今の実習先は男性がいるせいか女の世界の汚さが感じられません。

が、やはり精神科…色々あります…

最初の週末は患者さんが一時帰宅中に自殺。旦那さんもいて、男の子2人を育てている女性でした。一時帰宅許可をもらうにはちゃんと精神科医とミーティングをするのですが、それでもこういうことは避けられないというか、時々起こってしまうそうです。

実習中は指導看護師が担当する患者さんと必然的に会うことが多くなるのですが、Aさんにはこの精神医学センター外に患者さんが一人います。車で10分の所で一人暮らしをしている女性。最初その女性の話を聞いた時は、自分のノルウェー語力を疑うほど本当の話か信じられませんでした。自傷行為はよく聞く話ですが、なんとその女性は自分でお腹を切り裂いて、内臓を引き出したことが何度もあるとか。しかも年齢はまだ23歳。Aさんは週に3回、その女性と面会します。皆の話にかなり恐れおののいていたのですが、「彼女に実習生を連れてきていいか聞いたらOKがでたよ」とAさん。そう言われちゃ、一緒に行かないわけにはいきません。

そんな残酷なことを自分にできる女性って…と会うことがとても不安だったのですが、アパートから出てきた女性はとっても可愛い女の子でびっくりしました。3人でモールに行き、彼女はファンデーションを探し始めました。男性のAさんは助言ができず…私が一緒に値段や色を見ました。「ファンデの色はちょっと暗めを選ばないと、私青白く見えちゃうんだ」と、手に試し塗り。無邪気に笑うその子の手首には数多くの傷が残っていました。そして手の甲には煙草を押し付けた跡のような深い傷。Aさん曰く、ここまで残酷なことをしてきて、日常生活ができるようになった患者は珍しいと。その子の体の傷を想像しただけで、心が痛みます。

実習生にもこうやって色々教えてくれて、体験させてくれるAさんにはとても感謝です。まだ後5週間続く実習ですが気を引き締めて頑張りたいと思います。

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実習第2弾:精神科

授業づくめだった2学期も後半に差し掛かり、ついに2回目の実習が始まりました。

1年目は250人の学生皆が老人ホームでの実習を経験しましたが、2年目からはグループに分かれ、最終的には学生皆がすべての科を回れるようになっています。私の実習先は精神科…

精神病関係の授業を受けているだけで何だか暗くなるのに、実際そんな患者さんと8週間過ごすだなんて不安でいっぱい。しかも今回「も」くじ運が悪く、実習先がついに市外になってしまいました。バスで1時間ちょっと…日本では当たり前に1時間半かけて通勤していたのに、ここでのまったり生活に慣れ過ぎて「通勤に1時間以上よぉぉ(涙)」と嘆く私。でもお引越ししなきゃいけないよりマシです。学生によっては実習先が通える距離ではなく、9週間お引越しを余儀なくされる人もいるのです。もちろん、大学から家賃の補助やらが出るらしいですが…

ちなみに訪問看護の実習ではなんと選択肢にスペインがあるらしいです!!!!老後をスペインのリゾート地で過ごすノルウェー人のためにそのようなサービスがあるらしいですが、羨ましい限りです。実習というより半分バケーションじゃないですかっ!!

今週から実習が始まったわけですが、今日がほぼ初日(金曜なのに…)。精神科と言っても、別棟が病院に隣接しており「地域精神医学センター」と呼ばれています。同じ実習先にノルウェー人の女の子2人がいて、水曜日に一緒に挨拶に行ったのですが、私の看護指導をしてくれる男性Aさんが木曜日はお休みをとっていたので、私もお休みに…今日、学生2人はオフの日らしく私1人でした。

不安…かなり不安…2人の学生はいないし、しかも担当のAさんは午前中いないと言うし…変わりに男性Bさんが午前中は面倒を見てくれるという。(精神病棟は男性の比率高し!)朝8時からミーティング。入所している15人の患者さんについてやり取りが行われる。その後、2つのチームに分かれてさらにミーティング。ただただBさんの後を追うばかり。ちょっとするとBさんが小さなお部屋から手招きをする。「???なんだろう??」そこはなんとお薬のお部屋。患者さんが1日3-4回お薬をもらいに来る所なのです。Bさんが親切にファイルや薬の場所を見せてくれ、どう管理しているかも教えてくれる。バイト先の老人ホームでさえ、薬を扱うチャンスをくれたことがないのに、なんと一通り見せてくれた後に「じゃあ、次の患者さんの薬をあげてみよう!」と…

超緊張!!!!患者さんの名前を確認し、どの薬を飲んでいるかを本人に確認し、追加の薬が欲しければそれもチェック。ファイルを開き、パソコンに登録し、残りの薬を数え…正直言ってパニック!!!患者さんの方が自分の薬に詳しいので、「○○っていう薬よ!!」と私の読み間違えを正す(涙)目の前にいる患者さんから「まだー!?」みたいな態度を取られると余計もたつく(号泣)なんでこんな難しい名前の薬飲んでるのぉー!???

それが終わると今度は患者さんの情報入力をするシステムのお勉強。これをクリックして、あれをクリックして…とあわわわわぁぁぁぁ状態。前回の老人ホームでの実習中は結局1度もシステムについて学ぶ機会がなく…それを考えると今回の実習はとても丁寧に色々教えてもらっている気がします。実習先、担当看護師によって色々違うもんだなぁとすでに実感。

時間があるとリビングに行って、特に話しかけるわけでもなく場所を共有。私の存在に気づいてもらって、慣れてもらうためらしいです。でも実習生の身分、新聞を優雅に読むわけにもいかないし、スマホなんてもってのほかだし、ちょっと手持ち無沙汰…患者さんも特に誰かと話したくているわけでもないみたいだしなぁ…どう接していいか分からないし、どんな会話をしたらいいかも分からない…実際そこで働いている人達でさえ、リビングで数独やら編み物をしてるので、それこそ本当にそこにいるだけでいいのかなぁ…

ランチ後はMindfullnessというアクティビティに参加。「思考」とはのお話に始まり、横になって瞑想。私、瞑想中寝入ってしまいました。思考完全ストップです(笑)

そこで知り合った患者さんがやけに日本に興味を持ってくれ、その後リビングで談話。リビングで時間を過ごして、徐々に患者さんと話せるようになればいいと言っていた担当看護師のAさんも驚いていました。その患者さん曰く、「実習で学生はいっぱい来るけど、誰も話しかけてはくれないよ」と。話している限り、精神を病んでいる風には見えないけどなぁ…どんな症状を持っている人なんだろう?

実習先が市外なのでバスの時間などを考えると1日7時間半労働はかなり無理がある…それを実習先が決まった時からとても心配していたのですが、早番は8-15時まで、遅番は15-21時半まででいいと♪♪♪なんて理解ある担当看護師さん!!!!

今年の秋は3週間連続の晴天でオーロラも何度も観測できたのですが、ついにその紅葉の季節も終わりを迎えました。小さな嵐があっという間に葉っぱを散らせてしまいました。そして今週末から冬時間に突入です。

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