手術見学の日

整形外科での実習はほとんどが術後の患者さんの経過観察ですが、先週は術前の診療、今日は手術見学が入りました。毎回実習中に課題があり、今回の実習では1人の患者さんを術前から観察し、記録を提出しなければいけません。

日本じゃ多分手術当日に患者さんがやってくるなんてないと思うのですが、ここでは普通に手術日の朝到着。前もって食事を抜くこと、シャワーを浴びることなど必要な情報は伝えられていますが、日本人的感覚だと前日に病院に来て手術に備える方がいいような...(医療費削減策かなぁ?)しかも患者本人が、手術する足に印を付けてくるという!!!(←間違った足を手術することは避けられるけど...)

私の患者さんは70代女性Uさん、大腿骨の手術。整形外科の手術患者1号は8時には手術準備室へ運ばなければいけなくて忙しいので、10時に運ぶことになる2号さんを選択。同じシフトで動く学生のSは同じく2号さんで膝の手術に入りました。

私の患者さんは心臓移植を受け、しかも子宮がんの手術もしている強者。が、なんせ血管が細いっっ!!!採血するよう頼まれて、初めて1人で行うも、血が採れない(涙)泣く泣く他の看護師さんにヘルプを頼むも、その看護師さんもダメ...看護師がさらにベテラン看護師に頼みようやく採血完了。その後、手術準備室では麻酔医と麻酔専門の看護師を泣かせておりました。刺した針数知れず...私が特別下手だったわけではなかったのね(ホッ!!)

私自身、手術は3回経験していますが、すべて全身麻酔。今回手術したUさんは脊椎麻酔。針こそ細いものの、背中に注射だなんて痛そう...しかもこれまた針が入らず麻酔医手こずる。細い針が背中を出たり入ったり。太ったUさんが頑張って背中を丸めるも効果なし。最後には他の麻酔医を呼ぶ羽目に。せっかく入れた抹消静脈カテーテルも途中で点滴が止まったりしてやり直しと、手術前からてんやわんや。

image-1実際の手術時間は90分。今の時代、手術器具も洗練されているせいか、そこまで血や骨片が飛び散るようなこともなく、あっという間に大腿骨頭を取り出し、人工股関節を入れてしまいました。取り出された骨頭は軟骨がすり減ってなくなっていました。脊椎麻酔なのでUさんの意識はあるものの、薬で朦朧状態。大腿骨をがんがん叩こうが、ドリルで削られようが、足をあらぬ方向へ曲げられようが、半分寝ている状態でした。私は90分、カーテンで仕切られた上半身側から顔を出して手術を見学していました。もちろん皆さん私より断然背が高く、手術台も高いので、用意してもらったステップに乗っておりました(笑)途中、肉片が飛んできて、一瞬外科医も「はっ」と私の方を見ましたが、後10cmのところで仕切りカーテンに引っかかってひと安心。もしあれが顔にピョッと付こうものなら、私でもちょっと卒倒したかもしれません。

術後は日本で言うICUに移動。でもここにいるのは2時間ほどで、安定していればそのまま病棟へ運ばれます。(全員個室です!!)Uさんはまだ病棟に戻ってはいませんでしたが、交代の時間になったので私は退散しました。予定では3日後の金曜日に退院です。明日から3日間、病棟でUさんの経過観察をします。

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