断熱工事_ブローイング工法

私のノルウェーでの住まいは木造建築の4世帯が住む集合住宅です。1937年に建てられたので、築87年!!!屋根や外壁などの家全体に関わることは共益費からの出費となりますが、4世帯それぞれの住まいは基本個別でリフォームします。

私はたった人生2回目の内覧会、しかも数十分家を見ただけで、このマイホームを購入してしまいましたが、いざ住んでみると...古い家は寒いのです!!!!最初の年こそ、こんなもんかと思っていましたが、電気代の高騰や結露&内側から凍結する窓を見て、これはもうちょっと断熱効果を高めなければと調査を開始。手始めにすべての窓とテラスのドアを3重ガラスの新しいのに交換しました(窓交換プロジェクト)。

それでも断然暖かくなった!!!という実感はなく...というのも気になるのは地下...一番何もされていないこの共同倉庫はいつも寒い。ここの冷気が地下の天井(私の住まいの床)を伝って上がってきているのでは?という疑念を持ったのです。上の住人が使っている地下の倉庫は勝手に入れないけれど、ひとまず自分の住まいの下の倉庫を自己流で断熱工作。日本でもよくやるプチプチを張り巡らし、ビニールで覆ってみました。木の骨組みが邪魔だった上、最初に使ったテープは時間とともに剥がれ...結局画鋲でやり直しと地道な作業でした。

それでもまだ満足いかぬ...この家の壁、この薄い壁から熱が逃げているのでは???窓を交換してくれた大工さんが【アナタの家、断熱材が全く入ってない!内壁と外壁の間はスカスカで何もない】と言ったことが忘れられず。ただでさえ薄いのに、スカスカとは(号泣)でも外壁の木材を外して断熱材を入れるとなると4世帯でどうにかしなきゃいけない→近々、屋根の交換をするので、外壁はしばーらく出来ない...1世帯でやるとしたら、内壁を取っ払って断熱材を入れることになる→これは上の住人がやったらしい。数か月引っ越す必要が出てくるし、かなり大がかりな工事になる...

他に手立てはないものかと調査して辿り着いたのが、ブローイング断熱工法。外壁に穴を開け、そこから断熱材を吹き込むという方法です。この工法だと地下の天井から穴を開け、断熱材を吹き込むこともできます。しかも工事は1日で終わるらしい!!!

値段的にもこれが今できる一番の対策だと思い、数社に見積りをお願いしました。返事が来たのは2社。2つの見積書を比べると、なんと1.5倍の違い...しかも高い見積もりを提示してきた方は、電力の確保が必要、穴をふさぐ素材が別途請求とありました。もちろん、安い見積書をくれた会社を選択したのですが、いざ工事日を決める段階になると連絡が取れないように...メールの返信もなければ、電話も留守電。さらにさらに、ようやく日程がメールで決まったものの【〇日に工事します】だけで、時間などの詳細は分からず。仕事は休みだったので、気合を入れて朝7時から待っていました。しかし10時になっても音沙汰無し!!しびれを切らして電話するも、もちろん出ない。頭にきて他の支社に電話をかけ、状況を伝えるとその人から直接連絡してもらえることに。折り返しの電話で支社の人が言うには、【13時】になると。金曜日の13時...?ノルウェーで工事が金曜日の13時に開始とか聞いたことないし!!お昼過ぎたら、もう週末モードの国ですぞ!?それでも13時まで待つことに。もちろん、来ない(怒)頭にきて何度も電話をかけると、ようやく折り返しの電話があり【午前中にトラブルが発生して今日はもう来れない...ごめんね!】と。1日棒に振ったけれど、ここで揉めてもしょうがない。とにかく断熱工事をして貰わなければと新たな日程を決めました。

そして、当日。朝7時半に、予想を上回る大きなトラックが家の前に登場!!近所の人達には8時頃って伝えていたので、皆いそいそと車を出して出勤していきました。なるべく家の近くまでと考えたポーランド人の作業員はこの大きなトラックをバックで入れることに...運転はとっても上手で感動ものだったのですが、なんせ道は狭いしトラックは大きいしで断念。作業中は路駐禁止区域にトラックを停めることになりました。

予定では外壁、地下の天井(私の住まいの床下)をやってもらうはずでした。このブローイング工法は5センチ以上の隙間がないと出来ないらしく、ネットで調べた限り私の家の外壁と内壁の隙間は5センチあるはず...だったのです。しかし、いざ試しに穴を開けると、作業員ビックリ!隙間はなんとあって4センチ...3センチの所もあるという...【危うく内壁を突き破るところだったよ!!!】もちろん隙間はそれこそなんの断熱材も入っていない(涙)

結局、外壁の断熱工事は断念せざる終えず。あんな巨大なトラックで来てもらったのに、肝心の外壁が出来ないとは...とはいえ、どう仕様もないので気持ちを切り替えるしかありません。ポーランド人の作業員も【ほら、まだ地下が出来るかもしれないし♪】と。建築図面では20センチとあるので、木材の厚みを取り除いても5センチ以上はあるはずなのです。地下からの冷気を遮断できるだけでも違うはず!期待を胸にいざ一緒に地下へ向かい、天井に穴を開けてもらう。すると...ザァァァァ~!!!と砂利が落ちて来るではないですか(驚)何、コレ??やっつけ仕事で砂利がこんな風に入ってるわけ??ポーランド人曰く【昔の家はこうやって粘土質の砂利を入れたりして断熱したんだ】そうなの...!??地下の天井は5cm以上の隙間があったのですが、穴を開けるたびに粉塵が舞い、そこに勢いよく断熱材を吹き込む作業となります。私は即退散。ポーランド人も重装備で作業に取り掛かりました。

12時前には作業が終了し、ポーランド人は帰って行きましたが、地下は大変な有様に...私は前もってビニールを掛けていたので被害はそこまでありませんでしたが、隣人の物置のガラクタ達は真っ白に...床はある程度掃いてくれたものの、数時間経っても細かい粉塵が空気中を漂っている状態でした。開けた穴は最終的にコルクで塞いでいます。

この工事ですが...5月はお天気が良く、気温も20℃超えでして、イマイチ床の断熱効果が分からないでいます。自分の住まいで出来ることは一応すべてやったので、これで今年の冬どうなるか楽しみです!!

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